血友病とは?
一覧はこちら血友病の子育てって大変!?ママ2名にインタビューしました。
はばたき福祉事業団です。 今回は血友病のお子さんを育てられているお母様2名に、子育ての苦労や工夫などをお話しいただきました。
ーお子さんの年齢を教えてください。
斎藤さん(仮名)
血友病Aの小学6年生になる息子がいます。上に中2になる娘がおります。
前島さん (仮名)
血友病Aの小1になる息子がいます。4歳の娘もいます。
ー実際に育児をされてみて、お子さんが血友病であることで苦労されたことはありますか?
斎藤さん
1~2歳のころは2週間おきに関節内出血があったので、入院を繰り返していました。入院期間は短くて2週間、長いときは1ヶ月以上にも及び、まだ娘も幼かったので実母に預けるにしても大変でした。病院も高速道路を使って1時間弱かかる遠い所にあったので通院も大変でした。息子が幼稚園になる頃まではずっとそのような生活でした。
前島さん
息子が血友病だということを出産のときは知らなくて生後9か月で発覚しました。それ以降、転んで頭を打ったりしないように帽子のクッションを被せていました。息子も皆様と同じように1~2歳までは病院を行ったり来たりで、入院もよくしていました。 血友病の子どもを持つことは初めての経験なので、親としても24時間アンテナはっていました。 9か月の時に頭蓋内出血をしたこともありましたし、また消化器系で出血して朝起きたら唇が真っ白になっていたということもありました。 頭蓋内出血は胃腸風邪と症状が一緒らしく、体がだるくて嘔吐していたので病院で受診したら、最初は頭蓋内出血をしていないと医者に言われたのですが、念のためCTを撮ってほしいとお願いしたら頭蓋内出血をしていたということもありました。
ー血友病の子どもとの生活について、どのように知っていきましたか?
斎藤さん
患者会に参加をしました。通っている病院にも患者会があったのですが、同じ病院に通っている他の血友病のお子さんと比較しても、特に息子は症状が重かったので、県外の患者会にも参加して情報収集をしていました。家の中でできる対策や出血した際の対応などについていろいろと聞きました。また、病院の先生も情報を集めてくださり、先生でも分からないことは他の病院の先生に聞いてくださるなど、とても協力的でした。
前島さん
息子が通っていたのは大学病院だったのですが、血液内科の先生が血友病専門の方で知識が豊富で、その方に聞いて学んでいました。 他にも自分でネットを使って調べたり、血液内科の先生が様々な情報を紹介してくれたり、患者会も参加したりしていました。
ー小学校入ってからはどのように過ごされていますか?
斎藤さん
小学校に入るとき血液製剤を変えました。 薬を変えてから出血がなくなり、今のところ大きなけがもなく、問題なく学校に通えています。 小学校2年生から野球少年団に入っていますが、スポーツやっていても入院は股関節を痛めて入院したときの1回だけです。 息子が低学年の頃は、何かあったら連絡してくださいと伝えていたので、仕事中も先生から連絡があったこともありました。 運動会前にも先生と打ち合わせをして参加できる競技を話し合って決めていましたが、今は運動に関して制限はなくなりました。ただ、1年生から一昨年まで水泳の授業があった際には、先生から、「プールサイドが心配なので保護者の方にも来てほしい」ということで授業中にヘルプで入りました。
前島さん
斎藤さんと同じで、保育園に入る前に血液製剤に変えました。 それがなかったら保育園も小学校も普通に行くことができなかったのではと思うほど 変えてから生活が劇的に変わりました。 入院もなくなりましたし、救急車で運ばれることもなくなりました。 この4月に小学校に入学して、学校生活を送る中で人や物とぶつかったりすることもあるみたいですが、多少ぶつけても大丈夫ですし出血も出ていないですね。 学校の先生には息子が血友病であることを伝えましたが、お友達には言わないようにしてもらっています。
ー生活の中で何か制約はありますか?
斎藤さん
ほぼありませんが、緊急時に出血することを考えると、今度修学旅行があるのですがそれはやはり難しいかなと感じています。緊急時の注射は私がいないと打てないので、制約と言えば制約ですね。
前島さん
息子がまだ小さかった時はどこに出かけるにも製剤を持っていました。静脈注射をしたことがなくて、出血したときは血液製剤をもって大学病院に連れて行かなくてはなりませんでした。
ー自分が保因者で、出産を躊躇されている方に一言頂きたいです
斎藤さん
今は製剤で助けられている部分も多々あり、病院の先生も何かと力になってくれます。 大変なこともありますが、なんとかなります。
前島さん
医学の進歩はすごいです。これから出産を考えていらっしゃるのであれば、もしかしたら将来的に血友病が治る薬も出るかもしれないので、状況はますますよくなると思います。 私は自分自身が保因者だということを出産まで知らなかったので、迷うことなく出産しましたが、元々保因者だと知っていたら躊躇したかもしれません。息子が血友病だとわかったのは9ヶ月目だったのですが、患者会に参加することで救われた部分も大きいです。母親同士でしゃべることで精神的にも助かったので、患者会には参加することをオススメします。本当は誰ともしゃべりたくなかったのですが、血友病の息子さんを持つお母さんと会って心を開いたのです。LINEでもママグループでやり取りしているので独りで悩むことはありません。コロナで患者会の活動も減っていますが、復活したらサマーキャンプも行きたいと思っています。
ー今日はお忙しい中みなさんありがとうございました。
最後に
新薬が出る前は皆さんとても苦労されていたこと、ヘムライブラの登場によって出血する頻度が少なりくなり、お母様も息子様も生活が大きく変わり、QOLも向上しました。 そして、血友病のお子さんを育てる上で患者会の存在をとても大事にされていることが印象的でした。 これからお子さんを出産しようと考えていらっしゃる方で不安がある方は、是非私たちにご相談ください。血友病患者を多く受け入れている病院をご案内させて頂きます。