血友病Q&A
一覧はこちらQ&A第40回
北海道在住の患者の母です。息子の出産時にタール便が止まらず、入院して検査をしたところ、血友病と診断されました。退院時に小児科医から注意事項を言われましたが、当時は情報がなく、家庭の医学を頼りに不安を募らせながら、頭蓋内出血や内出血がないように細心の注意を払って育ててきました。
息子は心配そっちのけで鼻血ひとつ出さず、擦り傷もすぐに止まり病気もせず元気に育ちましたが、たびたび思い出してはもやもやしていました。
現在息子は30代、元気に仕事もしていますが、先日怪我をして手術を受けることになりました。不安になり、急ぎ調べてこちらにたどり着きました。結婚も考えているらしく婚約者に遺伝の事などどう話すべきか、手術前に血友病についての確認や手術を行う外科の先生に何か伝えたほうがよいのか。毎日たくさんの血友病患者様と向き合っている先生方にアドバイスを頂ければと思い、ご相談をしました。よろしくお願い致します。
新生児期に血友病と診断されたが、その後、出血傾向はあまりはっきりせず現在30代の男性ですね。色々情報を調べると心配かと思います。
血友病の診断は採血で可能です。
血液中の凝固因子(第VIII因子(8因子)、または第IX因子(9因子))が40%未満で血友病の可能性があります。さらに血友病は重症度で、重症1%未満、中等症1~5%、軽症5%より上、に分類されます。
無症状ですので、重症の血友病の可能性は低いように思いました。
軽症ですと日常生活でほとんど出血しませんが、手術時には治療が必要です。
整形外科の先生には必ず、小さいときに血友病といわれたとお伝えください。
APTTという手術前の検査が異常値になります。その上で、院内の内科の先生に相談してもらい、必要なら血友病診療に詳しい医療機関で確実な診断をしていただいたほうが無難です。
もし血友病なら、手術時に凝固因子製剤の投与による治療が必要になります。
通常手術は治療によって普通に可能です。
必要に応じて整形外科の先生から紹介状をいただいたらいかがでしょうか?
まずは血友病かどうかをはっきりさせた上で安全な手術に望み、その後のことはあらためて相談しましょう。
もし血友病と診断されたら、医療費の個人負担がなくなる制度がありますので、道庁、および健康保険におたずねいただき、2つの受給者証をいただくようにしてください。