血友病Q&A
一覧はこちらQ&A第32回
健常者との間に子供が出来ると、健常者の遺伝子も混じるので少しづつ活性値も上昇していかないものでしょうか。
私の例で言うと。。。
①本人(活性値15%)⇔妻(健常者・活性値100%)
↓
②娘(保因者・活性値60%)⇔夫(健常者・活性値100%)
↓
③孫(活性値20%)⇔妻(健常者・活性値100%)
↓
④ひ孫(保因者・活性値70%)⇔夫(健常者・活性値100%)
↓
⑤玄孫(活性値25%)
血友病である身としては、子供や孫の世代にも同じ悩みを持たせてしまう恐れがある為、子供を作ることに対しては慎重な姿勢になります。子供を多く作ろうという考えには至りません。健常者との結婚を前提にではありますが、世代を負う毎に活性値が上記のとおり上昇していく情報があるだけでも自分は気が少し楽になります。
血友病は世代毎に重症度が変わっていくこと、つまり、活性値が上昇していくことは無いと、考えられています。
両親から片方ずつ染色体(遺伝子)を受け継ぐことになるので、この受け継ぐ遺伝子は原則的には、そのまま受け継ぎます。そのため、お孫さんをふくめ、血友病患者さんのもつX染色体をもつ男の子は同じ重症度の血友病となりますし、もたなければ血友病となりません(図1)。
一方、女性の場合はX染色体が2つあります。血友病患者の娘さんは父親(血友病)と母親(健常)の2つのX染色体をもちます。理論上は第VIII(8)因子や第IX(9)因子の活性は半分になるのですが、実際は、それぞれのX染色体の働きの割合が個人によって違うため、同じ重症の保因者女性でも、凝固因子の活性値にはかなりの幅が生じます。そのため凝固因子活性の測定だけで保因者でない、ということは断言できません(図2)。