血友病Q&A
一覧はこちらQ&A第30回
48歳女性です。凝固因子活性が29~34%で、難病指定受けています。通常生活に特に困ったことはありませんが、個人的に体力がありません、そして、免疫も低く、細菌の感染も多いように思います。生理時の出血量、多いと思っています。出産は1.5㍑ でしたが、病室での出血が多く、トイレで失神していまい、そのあとから、貧血と血圧が200迄上がり、辛かったです。不安は年齢を重ねるとどうなるのかという点です。息子は69%で、問題なしと診断がでています。血友病とは診断されていませんし、日々の生活においても、私と違い、治癒力が低いとは感じません。どちらかというと、治癒力が高いと感じています。出産時はわからず、主人の転勤先の奈良でわかりました。私は5%以上の軽度に属しているため、日常での製剤は使用してません。主治医には、事故、けが、骨折や火傷があるときは必ず連絡するように言われています。
ご質問内容からすると、ご本人が凝固因子活性が30%前後で女性血友病と診断されている、ということですね。もちろん、通常製剤は使用せず、大きなゲガや手術時には製剤の投与が必要となります。
診断されていなかったため、分娩後に大きな出血をしたとのこと、大変だったかと思います。第VIII因子の場合は妊娠中に凝固因子が上昇することが多いので、分娩時に問題なくとも、後で出血することがあります。
血友病の専門施設で治療されておりますので、ご存知のことも多いと思います。あまり有益な情報を提供できませんが、以下については一般論を記載いたします。
体力が低下している、ということですが、少なくとも貧血があるかどうかの検査は定期的に必要です。女性保因者でも月経血が多いこともありますが、実際に基礎疾患がないかどうか、つまり子宮内膜症や子宮筋腫などがないかのチェックは必要だと思います。また、定期的に採血で鉄欠乏性貧血の有無を確認して、必要に応じて治療を行います。あまりにも月経血が多く貧血の進行がひどいようでしたら、ホルモン療法をおこない月経を止めることもあります。
凝固因子の低下が直接免疫に関係するかは、あまり情報をもちあわせておりません。少しでも参考になれば幸いです。