Q&A第14回

新型コロナウイルスのワクチンを接種してもして大丈夫でしょうか？

現在、多くの製薬会社が新型コロナウイルス（SARS-CoV2）に対するワクチンを開発しています。感染拡大から1年以内という凄いスピードで開発できたのは、これまでのワクチンとは違い、遺伝子工学の技術を利用しているからです。

ワクチンの種類は大きくわけて、mRNAワクチンとウイルスベクターを用いたワクチンに分けられます。それぞれ新型コロナウイルスの一部分をタンパク質として発現させて、体内に抗体を産生させます。現段階での副作用については、すべてが公開されているわけではありません。

ウイルスベクターをもちいたものはアデノウイルスを利用したものが先行しています。またウイルスベクターとして血友病遺伝子治療に利用されるアデノ随伴ウイルス（AAV）をつかったワクチンも開発中です。

アデノウイルスとAAVは違うウイルスです。ワクチンは投与されたウイルスに対する抗体を惹起する可能性が否定できません。可能性ではありますが、AAVを利用したワクチン接種後にAAVに対する抗体が生じ、遺伝子治療がうけられなくなる可能性が否定できません。

ワクチンの接種は血友病だからできないということはありませんが、 遺伝子治療を考えている患者様はワクチンの投与前に、念のためにワクチンの種類を確認したほうがよいと思います。