血友病Q&A
一覧はこちらQ&A第8回
凝固因子活性は、最低何%くらいあれば良いのですか?
血友病は凝固因子活性が40%未満で診断されます。さらに1%未満が重症、1〜5%が中等症、5%より高いと軽症に分類されます。必要な凝固因子活性は、手術や出血時に必要な止血治療と関節出血を予防するための定期補充療法にわけて考えます。
出血時、手術時などに必要な凝固因子値は血栓止血学会のガイドラインが利用できます(https://www.jsth.org/guideline/)。お腹などの大きな手術の際には100%を維持するようにします。重度の関節出血では、40〜80%が目標です。それぞれの処置や出血の程度により目標値が異なります。定期補充療法とは、重症患者の関節出血を事前に防ぐために定期的に凝固因子を補充する方法です。当初は1%以上を保つことで関節症が予防できることが示されました。一方、血友病Aでは関節出血を完全に予防するには12%程度が必要とされています。
患者さんの活動度によって、必要とする凝固因子活性が異なりますので、主治医とよく相談して自分の生活にあった凝固因子製剤の投与法を決めてください。