研究のご紹介
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現在の血友病診療の課題である遺伝の問題、その解決に焦点をあて、薬害HIV感染被害者の願いである血友病の根治や診療基盤整備に結びつくための研究開発を推進します。
1)新規治療法の開発(大森・野上・濡木)
これまでに開発を元に、国産遺伝子治療薬のヒト臨床試験に必要なデータを集積します。また、患者さんのもつ血友病遺伝子を修復できるようなゲノム編集治療を開発していきます。また、凝固因子タンパク質の機能や“かたち(構造)”を見ることで、あらたな凝固因子タンパク質をデザインし、これらを未来の治療に用いられるようにしていきます。
2)血友病に対する包括的予後評価法の創出(J-HOS)(野上)
血友病の治療が改善する中で、健常人と同等の生活という目的が達成できているかどうかを時間と共に評価できるデータベースを構築していきます。これによって、疾患の重症度やインヒビターの有無、治療法、年齢別に様々な疾患の状況や生活の質を評価し、最適な治療法とはなにかを探っていきます。
3)遺伝子診断と保因者診療体制の構築(木内、野上、大賀)
遺伝子診断法を統一して、患者・保因者の遺伝子診断を提供する体制を整えていきます。さらに周産期の血友病家族、その母子の安全な出産を目的とした血友病の遺伝子診断に関するネットワークを構築していきます。
4)患者・家族支援からみた研究ニーズの抽出と支援方法の構築及び研究成果の還元(柿沼)
私達のWEBサイトに寄せられる相談やアクセス情報を元に患者さんや家族のニーズを抽出します。また、実際の相談事例からモデルケースを抽出し、患者さんや家族の相談支援体制を構築します。また、市民公開講座で研究成果を皆さんに公表、および最新の血友病診療に対する情報を提供していきます。