研究のご紹介
一覧はこちら患者由来iPS細胞とゲノム編集による血友病A原因遺伝子の同定
自治医科大学生化学講座病態生化学部門、東京医科大学臨床検査医学科、および東京大学の研究グループは、エクソン内の遺伝子に原因を同定できない血友病A患者のイントロン深部(イントロン14)の1塩基の置換が異常スプライスを引き起こすことで血友病Aを発症することを、患者由来iPS細胞にゲノム編集技術をくみあわせて証明しました(注)。本研究成果は、通常の手法で遺伝子異常が明らかでない血友病に対する新たな遺伝子診断法を提言するものであり、研究成果が米国血液学会のBlood Advances誌に掲載されました。この手法を用いれば通常の手法で病因が明らかにならない他の遺伝性疾患への応用も期待されます。将来的に応用が期待される個別化ゲノム編集治療の治療効果も確認できます。
<DOI> doi.org/10.1182/bloodadvances.2023010838
(注)エクソンとはDNAの領域の中でタンパク質(凝固因子でいえば凝固因子の設計図の部分)、イントロンとはエクソンとエクソンの間。通常はイントロンの機能はないが、今回のイントロン中の遺伝子変化が、別のエクソンとして認識される配列に変化していた。
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