HIV関連病態である血友病の豊かな未来を目指した画期的治療法・診断法の創出(02)
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1) 大森 司
担当する内容:
画期的な遺伝子治療法を開発します。
なぜこの研究をするの?:
血友病に対する遺伝子治療の治験がはじまってきていますが、血友病Bと比べて血友病Aに対する遺伝子治療法の治療効果が安定していません。本研究によって血友病患者さんのよりよい根治療法に結びつくことを期待しています。
どんなことをするの?:
高機能な第VIII因子をつくり、これを利用した新しい遺伝子治療やゲノム編集治療に結びつけます。また、遺伝子治療に使用する遺伝子の運び屋についても、さらに効率的なものができないかを検討します。
2) 野上 恵嗣
担当する内容:
凝固因子の働きを調べて凝固因子の止血力を高める研究や、今の血友病患者さんが直面する問題を調べるための調査を行います。
なぜこの研究をするの?:
患者さんの凝固因子の解析から、その機能が色々とわかります。この研究によって、凝固因子の働きが強くでき、新しい製剤や遺伝子治療につながります。また、血友病治療がよくなって止血で困らない方が増えていますが、今後どんなことで困るか生じるかはっきりしていません。
どんなことをするの?:
凝固因子と他の凝固因子との結合や働き(切る力や速さ)に影響する部分を調べます。また、全国の血友病患者さんを対象にして、日常生活の状況(気分や活動など)、治療内容や病気の重症度、活動度などを年ごとに調査して、血友病患者さんが困っていることを明らかにします。
3) 濡木 理
担当する内容:
凝固因子やゲノム編集に用いるタンパク質を実際に見ることで機能を調べます。
なぜこの研究をするの?:
凝固因子などのタンパク質は目では見えません。分子のレベルで立体構造といって三次元的な形になって機能しています。実際にこの構造を観察することで、機能を予測したり、強くすることができます。
どんなことをするの?:
クライオ電子顕微鏡という特殊な顕微鏡で凝固因子などのタンパク質を分子レベルで観察して、その機能に影響している部分を調べます。
4) 篠澤 圭子
担当する内容:
保因者かどうか簡単に予測できる検査を開発します。
なぜこの研究をするの?:
これまでに遺伝子検査による保因者の診断法を確立しました。一方で、誰でも簡単に遺伝子診断を受けることができません。
どんなことをするの?:
血液検査や出血症状などから保因者かが、どの程度予測できるかを調べます。
5) 松本 剛史
担当する内容:
軽症・中等症の患者さんの関節症が予測できるかを調べます。
なぜこの研究をするの?:
軽症や中等症血友病でも関節症を発症する方もある程度います。そのような方が分かれば、定期補充両方を行う必要のある患者さんがわかります。
どんなことをするの?:
全国の軽症や中等症の患者さんを対象にして、アンケート調査や凝固因子測定値と関節症との関係を調べて、関節症を起こしやすい患者さんの特徴を明らかにします。
6) 柿沼 章子
担当する内容:
患者・家族の支援、および本研究事業との架け橋
なぜこの研究をするの?:
はばたき福祉事業団では、長年薬害HIV患者さんや家族を始めとした血友病患者さんの相談・支援をおこなってきました。本研究事業は薬害HIV訴訟の和解に伴う恒久的な支援の一環です。本事業を多くの患者さんや家族に知っていただき、かつ患者さんや家族の声を研究者にとどけることが重要です。
どんなことをするの?:
このホームページを作成して研究班の情報を提供し、Q and Aを利用して、患者さんや家族の疑問に答えます。随時、相談や支援にも対応します。また、年に1回、市民公開講座によって情報提供を行う場を提供します。